このポンコツ野郎!

とりあえず自転車で旅行しているのに自転車が故障しすぎです。ギヤチェンジが出来ないし、途中でチェーンは外れるし、ペダルが回らなくなるし・・・自転車ってこんなに壊れるものだっけ?

さて、なぜこれほどまでに自転車が故障するのか考えてみると、数日前の事故が原因だと思うのです。だから自転車自体が悪いのではなくて、事故によってどこかが歪んでしまったのではないかと考えています。まぁどっちでも良いんですが。問題はいかにこの故障続きの自転車という問題を克服して稚内に向かうかということです。



事故は突然やってきます。旅行前は当然ながら無事故無傷で帰ってくるつもりでしたが、それは甘い考えでした。八戸まで約700キロ。毎日半日くらい自転車をこいでいて、事故にあわないほうが不思議です。しかも結構飛ばしているわけで、余計に危ないわけです。どんな事故だったのか書いておくことにします。



それは走り始めて4日目のことでした。前日、何とか仙台までたどり着き、その日は一関まで約100キロというそれまでの走行距離に比べると楽な距離でした。予定としては午後早い時間帯に一関入りして、中尊寺毛越寺などを見て回るはずでした。そのため、距離は短いながらも、結構急いでいたわけです。

それが、案外困難な道のりで、まず山がちな地形でした。先日も書きましたが、ロードバイクは大量の荷物を積んで走るための自転車ではないので、それに荷物を積みに積んで山道を走るのは非常に困難なわけです。それでイライラしながら進んでいると、途中で雨が降ってきました。幸い、仙台を出るときに少し雨がぱらついていたので、そのときにコンビニで合羽は買ってありました。

雨にも負けず、懸命に走り続けました。雨なので、ちょっとテンションも上がり気味で「よっしゃー!このまま一関まで一っ飛びだ!」くらいのつもりで走っていました。そして何とか山を越え、古川に入ったのです。

古川は比較的整った町で、道路の幅も広いし、店の数も多いところでした。車が多かったので、雨も降っているしこれは危険だということで、めずらしく歩道を走っていました。普段は車道を走ります。車には迷惑でしょうが、歩道はがたがたして走るのが大変なのです。

しばらく歩道を走っていると、道を大きくふさぐ形で笹が張り出していました。完全に歩道をふさいで、前が見えません。ただ、こういったのは那須を越えるときによくあったので、「またか・・・」と思い特に気にせず突っ込みました。しかも、「やっほーい!」と思いながら、顔に笹が当たると嫌なので、ヘルメットを前面にして下を向く形で笹に突入です。次の瞬間・・・



僕は地面を舐めていました。



自転車がカラカラと回り、後ろのかごの荷物が散乱し、前歯・右手首・右ひじ・胸部に激痛が走っていました。とりあえず恥ずかしいので起き上がり、自転車を立て直し、歩道の脇にそれました。まずは自分の身体の確認です。歯はぐらついていましたが、取れないのでOK!右手首は指が動くので問題なし!ひじは痛いけれど大怪我をしていたら怖いので見ない!ということで、身体は何とか大丈夫なことが確認されました。

問題は自転車です。「よーし、行くぞ・・・」と思い、自転車を押し出すと、なんと前のタイヤがぺしゃんこじゃあありませんか。ロードバイクのタイヤはカッチカチが普通なのに、ふにゃふにゃもいいところです。「これはパンクに違いない!」と思い確認すると、タイヤに(チューブではないです)ざっくりと亀裂が走っています。

果たして自分が何にぶつかったのかというと、道路によくある青い看板の柱です。笹を抜けた直後に柱があり、「やっほほーい!」と突っ込んだ直後に柱にぶつかったわけです。そして地べたを這いずり回ったわけです。

このとき、宮城県の役人に対して怒りがこみ上げてきました。何で笹切っておかないの?!危ないでしょ!宮城県死ね!と。途方にくれて、仕方がないので古川の自転車屋を探して歩き出しました。でもどこに何があるのかわからず、沈んでいました。仕方がないので郵便局でお金を下ろすついでに局員に自転車屋を聞いてみると、近くにあるよとのことで、郵便局から100メートルほどのところにある古い自転車屋さんにお邪魔しました。

そこのご主人は高齢で、はっきり言って何を言っているのかさっぱりわからないくらい方言を使う人でした。よくわからないまま、「はい」といい続けると、とりあえず見てくれました。そして「うちじゃ無理!」というようなことを言われました。500円かかりました。何代だよ!

またしょんぼりしながら歩き出すと、雨がやんできたので、iPhoneで検索してみることにしました。すると3件ほど見つかり、カタカナの店名のところに行きました。こういうときはカタカナに限ります。すると、見事にヒット!ロードバイクを修理してくれる店でした!

そこで修理をしてもらい、しかもおまけしてもらい、何とか4時間遅れて一関に向かうことになったのです。そこで転んでから初めて鏡を見たわけですが、泥だらけチェーンの油で顔を汚し、顎から出血していた自分はどう見ても不審者そのものでした。そしてその点については特に何も突っ込まれませんでした。

そうして一関に着いたわけですが、そこから故障の連続です。翌日盛岡に行くまでにチェーン外れる病を発病し、北上で自転車屋に寄ったら、なんとタダで修理してくれました!そして「頑張って北海道まで行けよ!」と応援されました。良い自転車屋です。

しかし翌日はギヤチェンジが出来ない病を発病しました。昨日の親切な自転車屋で習った修理テクニックを駆使して自力で直そうとしたら、1時間近く頑張った挙句、あきらめました。ただ、そこで見知らぬちょっと強面のおじいさんに「パンクか?」と聞かれ、「いや壊れちゃったんですよ・・・」という会話が始まり、東京から来たことを告げると、とても驚いていました。

しばらく修理を続けていると、そのおじいさんが戻ってきて、「ほれ」とデカビタをくれました。「これ飲んで頑張れよ!」と応援してくれました。感動して一瞬言葉につまり「ありがとうございます!」をなぜか二回繰り返してしまいました。いやー助け合いって良いね。まぁ自転車は直らなかったわけですが。

そうして今に至ります。今日は自転車屋にメンテに出す予定です。直りますように!頼むよー稚内までは行きたいんだよーそして出来れば帰りたいんだよ!というわけで、頑張れ八戸の自転車屋