自分探し4級

3日ほど前から、いわゆる「自分探し」的なものに出かけてみたわけですが、この3日間でわかったことがあるので、とりあえずここに書いておこうと思います。ちなみに、私は決して自分探しに出かけたわけではないので、その辺はわかっていただけると幸いです。手段としては「自転車で北海道まで行ってみよう」というとてもシンプルなものです。果たして何が分かったのかというと・・・



「そもそも自転車で旅をしても自分なんか見つからない」



ということです。誰だ最初に自転車旅行のことを「自分探し」なんて言い始めた無責任な奴は!慣れない奴が一日に100キロも自転車こいだら疲れて夜寝ちゃうわ!自分はここ3日間22時には爆睡です。いつ自分を探せというんですか。道路でですか?危ないでしょ!轢かれるわ!自分が亡くなるわ!

自転車をこいでいる間は特に何も考えていません。注意力散漫になると危ないからです。でも今日は比較的すいていた道があったので、歌っていました。でも歌詞が途中でわからなくなるものばかりで、やる気をそがれました。「俺の本当にやりたいことは何だろう?」などと複雑なことを考えていたら転んで死にます。歌っていたら通行人がいて恥ずかしい思いもしました。

それから自転車をこぐのは楽じゃない!まず尻が痛くなります。これは切れ痔になるのではないかと、リアルハチクロ(リアルなのはいつもそういうところです)になるのではないかと心配しました。しかし3日目を終えて、それはたいした負担ではなくなったのです。乗り方を工夫するだけで、ぜんぜん大丈夫です。ガードの入ったインナーをはいてはいますが、気休めとしか思えません。でも、無いと大変なことになる気もします。

そして尻の問題が解決したと思ったら、今度は脚です。左ひざが痛すぎます。それでなくとも筋肉痛で、自転車を降りても走れません。内出血もしまくりです。両手のひらと、ひざの内側、ひざ頭がいつの間にか内出血していました。かなり痛いです、これ。腹筋も背筋も鋭意筋肉痛です。

さて、周到な準備を重ねて今回の「自分探し」に至ったわけですが、やってみて初めて分かることがたくさんあります。

まず何よりも、荷物は全然いらないということ。初日に途中まで付いて来てくれた近江くんに、出発時の荷物の三分の一程度を持って帰ってもらいました。私服は一足先に全部帰宅しました。スポーツドリンクの粉も全員帰宅しました。本当に最低限で大丈夫です。とはいえまだたくさん無用の長物を抱えて走っているわけですが・・・

ここで、この3日間の行程その他をまとめてみます。初日、自宅の早稲田から祖母の家のある館林まで、距離にして80キロ程度です。毎日基本180キロを設定していた僕としては、楽勝すぎる距離でしたが、自転車で長距離を走るのは初めてだったので、「まぁ初日はこんなところでしょう」と考えていました。



結果、遠すぎ。



家を出たのは昼過ぎでした。大宮経由で館林まで。理想設定速度だった時速30キロで行けば、3時間で到着する予定でした。人生はそんなに甘くありません。時速30キロなんて無理です。それを続けるのなんて不可能です。言ってみれば、ボルトが100メートルを10秒くらいで走るから、1000メートル走だったら100秒で終わるじゃん!という感じです。

しかも6時をすぎると暗くなってきて、交通量も増えてきて泣きたくなります。しかも全然着かない、理想と現実の落差に失望し始めます。初日からこれです。2日目も大失敗でした。朝出発すれば、館林から郡山くらい(だいたい180キロ)は行けるだろうとふみました。前日の反省を全く生かしていません。那須塩原を16時半ごろに通過したので、「どうかなー?」と思っていたら、山がありました。自転車は平地用に作られています。歩きました。着きません。もう死にたいです。そうこうして白河について一夜を越しました。結局140キロ止まり。でもまぁ悪くはありません。

3日目は仙台まで170キロ、昨日の反省を生かして、6時半に白河を出ました。13時に福島につきました、ここまでで90キロ進んでいます。あと80キロ、行けるだろ!と思いましたが大間違いです。結局、仙台に到着したのは7時間後で、疲れ果てた僕は、理不尽に通行人に「死ね死ね!」と思いながらペダルをこぎました。これが自分探しの実態なのです。そして今に至ります。

眠いので今日はここまで!明日また頑張ります。それでは・・・