読書は計画的にね。

読書を以前より計画的にするようになった。日本の文学作品を3冊、外国文学を3冊、新書を2冊、流行の小説を2冊で合計月に10冊読むことになる。これまでは流行の小説を読んでこなかったが、清水が出版社の試験を受けるといって流行の勉強を始めて以来、流行に全くついていけていない自分を発見し、世の流れについていくことも必要だと感じたので読むことにした。

今月読んだのは、

閉鎖病棟 (新潮文庫)

閉鎖病棟 (新潮文庫)

探偵ガリレオ (文春文庫)

探偵ガリレオ (文春文庫)

の二冊だ。『閉鎖病棟』はなぜ話題作なのか、よくわかった。作中での衝撃的な告白には思わず息を飲んだ。この告白によってそれまでのある登場人物に対する見方が180度近く変化した。自分の愚かしい決め付けが実に浅はかで、それを現実生活でしているかもしれないと思うと、空恐ろしくすらあった。そして、感動の最後。帯にある「感涙」というのは少々大袈裟な気がしないでもないが、なるほど山本賞を受賞するだけはあると納得した。

探偵ガリレオ』はドラマ化され、続編の『容疑者Xの献身』が映画化されたので読んでみることにした。メディアミックスの作品くらいはチェックすべきだと思ったのだ。しかし・・・どうもあっさりしている。手口に関しては文系の自分には「ふーん、そういうものなのか」と感心することが多いのだが、それだけだ。だからなんだ、というわけではない。面白くはあるが、読み応えは全く無い。ドラマだったら面白いのだろうな・・・と思った。

外国文学では、以前トーマス・マンを読んでいたので、独文を集中して読むことにした。といってもよく知らないので、とりあえずゲーテ、ヘッセ、カフカくらいを読もうと思う。その後は仏文にして『チボー家の人々』を読んでみたい。

というわけで、現在、ゲーテの『若きウェルテルの悩み』を読んでいる。ゲーテは「もし生涯に『ウェルテル』が自分のために書かれたと感じるような時期がないなら、その人は不幸だ」と書いている。しかし、そう感じる部分は3分の2ほど読んでまだ無い・・・トーマス・マンの『トニオ・クレエゲル』にも『ウェルテル』と同じようなことが書いてあったが、こちらには深く賛同できた。どうもウェルテルの独善的ともいえる積極的な性格についていくことは難しい。ここから30ページの驚異の追い上げに期待したい。

これを読み終えたら『ファウスト』だ。ぱらぱら見た感じだと戯曲のような書き方で、少々読みにくそうだ。しかし、ゲーテの生涯をかけた大作だというから読まないわけにはいくまい。この辺りで少々衒学的になっていないかと心配ではあるが、別に誰かに自慢するために読んでいるわけではないので気にしないことにしよう。何といっても、まだ読んだことすらないのだから、学を衒うことすら出来ないのだ。

とにかく、時間が無い。これから2年間の院生生活が始まるわけであるが、時間はいつも足りていない。計画を立てて読書をしようと思ってはいるものの、計画外で読みたい本などいくらでもある。それに勉強もやらなければならない。そして運動にバイト。案外学生も忙しいものである。真面目に生きようとする場合に限られるが。

ああ、今であれば精神と時の部屋を本当に充実して使うことが出来る気がする。