CL

いよいよCLも大詰めになって来ました。ついにベスト4が決まり、世界最強クラブが決定することになります。今から非常に楽しみです!はてさて、今年はどこが優勝することになるのやら、期待が膨らみます!




となるところが・・・



まさかのプレミア3チームがベスト4入り・・・唯一プレミア外からはバルサが入るだけというもはやFAカップ状態。アーセナルも結局ダメだったし、チェルシーは資金力で勝ってる面が否めないし、マンUのサッカーはどうも好きになれないし・・・「もう何だし!」と女子高生のように叫びだしたくもなる。CLの面白いところは、各国サッカーの特徴が出るところで、いつもは見られないカードがあるからこそなのに、それが去年今年と全然無い。何のためのCLなのか!と思う。確かに去年はミランビッグイヤーだったが。。。

イタリア勢がここのところ盛り上がりに欠けるのは致し方ない面はある。ミランとユーべの不祥事で、イタリアサッカー界は大きく衰退した。もちろんそれは自業自得であり、本人のほかに誰のせいでもないのだが、優秀な選手がこぞって移籍してしまったのは痛手だ。去年ミランがCLを制したのは、奇跡といっても良いと思う。

スペインはこれといった不祥事は無いが、ここのところ2強がどうも振るわない。今年レアルがロッベンスナイデルといった補強を行ったので、レアルの善戦を期待していたのだが、あろうことかローマに敗れる始末。バルサはいつまでもロナウジーニョを神扱いしているせいで、サッカーに欠かせない連携に不安が生じている。ライカールト監督解任、モウリーニョ新監督就任の噂もあることだが、ことは簡単ではない。あまりにビッグスターがそろいすぎている。モウリーニョが就任したら、アンリとロナウジーニョは切られるんじゃないか・・・?

自分は元々プレミアのサッカーが好きだった。いや、今でも比較的好きだ。他のリーグでは見られないスピード感が観ている人間を興奮させる。またこれはあまり関係ないことだが、リーガやセリエAに比べて放送される映像が格段に綺麗なことも侮れない。特にモウリーニョの導入した堅実な守備とシンプルなカウンターサッカーは圧倒的だった。自陣ゴール前からわずか数本のパスでゴールを奪ってしまう。チェルシーが半世紀ぶりにプレミア制覇を成し遂げた年、あるいはその前年はモウリーニョチェルシーの黄金期だった。

それがアブラモビッチの強引な選手獲得によって、チェルシーサッカーには必要のない人材が補強として莫大な額で連れてこられた。その最たる例がシェフチェンコであろう。彼の引き気味のオフェンススタイルはチェルシーサッカーに合ったものではなかった。バラックの獲得も、ランパードの働きを考えれば、必ずしも必要ではなかっただろう。明らかに戦力過多であり、戦略から外れていたように思う。ついには今シーズンでモウリーニョチェルシーを解任される始末。これでチェルシーは単なる金持ちビッグクラブに過ぎなくなるだろう。

チェルシーの凋落とは対照的に、2強が完全に息を吹き返した。マンUアーセナルも若手選手の獲得・育成が功を奏し、破竹の勢いである。このところアーセナルが減速気味だが、前半から中盤にかけてのアーセナルにはマンU以上の勢いがあったと思う。アンリがアーセナルを離脱したときは、もうアーセナルはダメだと思ったが、まさかあれほどまでにアデバイヨールが活躍するとは思わなかった。昨シーズンの彼の働きを見て、どうしてベンゲルは彼を放出しないのか不思議で仕方なかったが、これは自分の不明を反省するばかりである。

マンUは去年ビッグイヤーを逃しはしたものの、プレミアは確実に手にした。プレミアは今年も恐らく連覇するだろうし、ビッグイヤー獲得の最有力候補だ。一昨年の不調が嘘のようである。何といっても今年はC・ロナウドの活躍が目覚ましい。バロンドールも獲得しかねない勢いだ。もちろん、ルーニーテベスの活躍も見逃すことは出来ないし、パク・チソンも堅実な働きを見せている。またファン・デルサールも素晴らしいセーブを連発している。

しかし、どうもマンUのサッカーは好きになれない。チェルシーアーセナルに比べて連係プレーが少ないからだ。特にディフェンスとオフェンスの連携がかなり薄い。まるで別チームのようにすら感じられる。かといってオフェンスの連携はどうかといえば、個人技を合わせたようにしか見えない。アーセナルが信じられないほど細かいパスをつないでスペースを作り出す芸術的な連携を見せるのに対し、マンUはあくまで強引だ。各個人の力を上手く引き出しているともいえるのだが、どうもしっくりと来ない。だから、去年のCLで、マンUミランに完全に抑えられたときはスカッとした。あの試合のMVPはC・ロナウドを完全に抑えたガットゥーゾだと思う。

そのミランももう消えてしまい、トッティがいなかったとはいえローマも完敗だった。バイエルンにいたっては、出場すらしていない。オランダ勢も鳴りを潜めている。やはり3年前、リバプールがCL制覇を成し遂げたときのような面白さはない。3年前は多様性に富んだCLであった。モウリーニョチェルシーと世界最強といわれたバルサの戦い、予想外の接戦となったミランPSV(この試合は最高に面白かった)、モウリーニョの挑発に燃えたリバプール、最後の最後まで結果のわからなかったバイエルン×マンU。そしてまさかの逆転劇の決勝戦

それがないのはやはりさみしい。これから4強直接対決が行われる(あるいは最近あった)プレミア勢同士の戦いは、確かにレベルは高くて面白いのだが、多様性や新鮮味に欠けるのだ。今年のイタリア勢、スペイン勢の早々とした脱落は、一大改革を引き起こすことだろう。インテルバルサは監督すげ替えが行われるようだし、モウリーニョは現在フリー。ユーベもいよいよ復活の兆しが見えてきた。来年こそ、多様性と新鮮味、そしてビッグゲームに富んだCLになってほしいと心から思う。