8冊目、そろそろ外れの予感・・・

生協が21日で通常営業を終えてしまうので、かなり困っています。正直本を新品で買う人間にとって、10%引きはあまりに大きい。しかも時々15%オフとか古くなった本を50%オフ(!!!)で売ってくれる生協が大好きです。最高です。まぁそれだけに欲しい本をすぐ手にしてしまうので、結果的に欲しかったわけでもない本まで買ってしまったりして、財布の中はほとんど空っぽです。でも、本を買うのは靴だとか服を買うのに劣らない楽しさがあるのだなぁ。

そんなこんなで今年の8冊目の感想です。これも別に欲しかったわけではないが、完全にタイトルに惹かれました。「シュレディンガーの猫(?)」が何のことだかわからなかったので、思考実験とはどのようなものなのか、それを知りたかったのです。ちなみに、今でも量子力学の話はさっぱりです。wikipediaで調べても、全く意味が不明です。あれを理解する人間がいるというのが不思議なくらいです。

話が逸れてしまいましたが、本は↓です。

はっきりいって、微妙といえば微妙であった。科学的な内容を分かりやすく、哲学的な内容を親しみやすく書こうとしている努力は良くわかる。7部構成にして1日1日しっかりと理解しながら進めていくようにしたのもその工夫の一環であろう。しかし、6部と7部の量子力学相対性理論の話はほとんど理解できなかった。もちろん、生来の理系に対する才能不足もあるのだろうが、それ以上に一般の人々のとってかなり縁の遠い話なのである。数式も簡単なものではあるが度々登場し、分からない人の混乱を助長しているといえるかもしれない。

哲学的な部分に関しても、中途半端な記述が実に多かったように思える。結果をあやふやにしている感じがして、非常にもどかしく感じられた。結果を断定的に書くことが不可能なことは分からないではないが、しかし読者は理解が無い限りは満足しないであろう。そして、思考実験の問いと回答の間に多少のギャップが感じられた。これもまた違和感になる。

悪い本だとは思わないが、全体的に中途半端だ。読了感もそれほどではない。720円とかなり高額(小説などに比べて)な割りに、不満足に終わってしまったのが残念だ。新書自体が冒険的なジャンルである以上は、当たり外れが激しいのはわかってはいるのだが、外れ(今回は外れと断定するほどではないが、当たりとは感じられなかった)を引くと悔しく感じるものである。新書選びは、実に難しい。

そして何よりも、書き方がどうも気に入らなかった。気安く読めるようにとの配慮だろうが、話し言葉調書かれていたので、ガチガチに固められた難解な文章を(たとえ理解できていなかったとしても)好む自分とは合わなかった。それもまた難しいところである。専門外の文章を専門用語と書き言葉で埋められてしまうと、これはこれで理解できない。自分はどうも相当自分勝手なことをいっているようである。しかし、今回得た知識がどこで役に立つかは分からない。この本を読んだことを幸運に思う日がいつか訪れることを願うばかりだ。