これぞ神奈川クオリティ・・・

神奈川県知事選挙よりもはるかに東京都知事選の方が気になるのが県民の性。今朝の新聞にも都知事選のことは一面でしたが、神奈川県知事選はそれほど大きく扱われていませんでした。そりゃそうだなぁ・・・と納得する反面、こういったところに日本の進まない地方分権も表れているのだなぁとしみじみと感じました。まぁ中央集権で良いと思うけれど。

それにしてもあのわずらわしい宣伝カーがいなくなると思うとホッとします。名前を連呼するだけで、騒がしいだけの存在である宣伝カー。日本の悪しき習慣の一つだと思います。馬鹿の一つ覚えみたいに名前を繰り返し、「ありがとうございます!ありがとうございます!」って何もしていないのに、胡散臭い感謝の言葉を連呼する。ある意味マインドコントロールじゃないかと思います。

政策の内容なんて全然分からない。もちろん候補者は1人しかいないわけですから、政策を演説できる場所など物理的に限られてしまうのは分かります。しかし、だからと言ってポスターの見た目にばかり気を払ったり、オウムのように名前と謝意を繰り返すというのはどうなのでしょう。あまりに政治と言うものを軽視しているとしか言い様がない気がします。

とはいえ、これは決して政治家ばかりが悪いとは言えないのです。これほどインターネットが普及しているにもかかわらず、公職選挙法ではネットでの宣伝を制限しています。時間と場所を限定せずに政策を発表できるというのに、動画を載せることも許されないというのは時代錯誤ではないでしょうか。まぁ政治家の大部分がおじいさんで、IT革命を「イット革命」といってしまう人が権力の中枢にいる日本の政治では、ネットに関する知識欲と言うものは薄いでしょうから、ネットの発達による公職選挙法の改正には時間がかかるでしょう。

都知事選で、ごく一部から注目された候補者がいました。いわずと知れた外山恒一ですが、言っていることは支離滅裂、どう考えてもギャグで出馬したとしか考えられない人間です。しかし彼は、そのおかしな言動に一部から、本当にごく一部から注目が集まり、ニコニコ動画youtube政見放送がアップされたのです。政府はこれを公職選挙法違反として、削除を要請していますが、実に効果的な手段だと思います。もちろん、彼はそれを狙っていたのではないでしょうが、誰もがその人の政策をいつでも聞くことが出来るというのは選挙に行く側としてはありがたいと思います。

かの外山恒一は選挙ポスターを文字で埋め尽くしました。しかし、それが真面目な内容であるとすれば、誰も読みません。自らのHPで政策を公開していたとしても、それを隅から隅まで読むということはなかなかしないでしょう。それに対して、政見放送のように5分程度の話にまとめ、実際に人間がしゃべっているとすれば、それを聞く人は多いかもしれません。

政府は若者の選挙離れを危惧し、さまざまな対策を講じてきました。その努力は評価すべきですが、政治に対する関心の低下は否めません。というのはあまりに政治が見えにくくなっているというのがあるのでしょう。やる気のない人は最初からありません。だからどうしようもないといえばどうしようもない。1票の価値を認識させることなど不可能です。だったら、政治に少しは関心がある人に向けて対策を打つべきでしょう。やる気のない10票よりもやる気のある1票を投じさせたほうが、より民意に適うのではないでしょうか。

政治を見えやすくするには、それぞれの政策に気軽に触れられるようにしなくてはなりません。ネットの利用はその最たるものです。ネットの宣伝を規制するよりも、あの騒々しく無意味な宣伝カーを法改正によって禁止した方がよほど効果がある気がしてなりません。昼時でもかかってくる選挙の電話、勉強中にも聞こえてくる宣伝の声ほどイライラさせるものはありません。むしろ政治嫌いを増やす気さえします。

小泉政治は時流を上手く捉え、国民を上手く政治の舞台に上げることに成功しました。これからはそれを地方単位で行わなくてはなりません。地方自治は民主主義の学校といわれるくらいなのですから、国政以上に住民の政治参加が求められます。さまざまな工夫が求められる時期なのです。公職選挙法による厳しい規制を緩和し、もっと自由で時代に合った、それでいて不正の起こりにくい選挙と言うものが必要ではないかと思います。そうでもしないと、地方政治に関心を持つなんて難しいことになるでしょう。