春休み読書感想文

厳密には春休みではなかったけれど、読みたくて先走って読んでしまった本の感想を少々書こう。

白い巨塔〈第5巻〉 (新潮文庫)

白い巨塔〈第5巻〉 (新潮文庫)

全部で5巻という中々長い小説で、ドラマ化されてかなり有名だけれども、ドラマを見逃したことで読み始めた一冊。読み始めたのはいつだったか思い出せないほどに前から読んでいたが、テストを挟んだせいでしばらく読んでいなかった。それがようやく今日読み終わったのである。医療や人間の尊厳について考えるところ多く、ここではなくいずれそれについても深く考察したいところだ。何と言っても小説なのに医療に非常に詳しいところがこの小説の特徴だろう。閉鎖的な医療事情にも関わらず、これほどの内容を書き上げ、更に医療裁判まで詳しく書いた筆者の努力には敬服するほかはない。それでいて小説の展開も最上と言って良いほどの面白さがあるのだから、驚きである。『華麗なる一族』も現在ドラマが放映中だが、本で読んでみようと思う。


教室の悪魔 見えない「いじめ」を解決するために

教室の悪魔 見えない「いじめ」を解決するために

この本は、我々のいじめに関する考えを全く変えることになる。現代のいじめがどのようなものであるかを描いた本であるが、ニュースで聞いているだけでは決してわかることのないいじめの性質が明らかになっている。いじめを扱った小説ですら重いと感じるが、ここに書かれているのは現実であることを考えると、ぞっとする思いだ。即効性のある解決手段があるとは思えないが、大人がどのような心構えであるべきなのか、どうするべきなのかを考えさせてくれる。現実を知る上で、読んでおくべき本だと思う。必ずしも教育現場の人間に限らず、親や普通の人にも是非読んでもらいたいと思う。


勝者のエスプリ

勝者のエスプリ

サッカー界では言わずと知れた名将アーセン・ベンゲルの著書である。知的な雰囲気を持つ監督であるが、この本にもやはりそのようなベンゲルらしさが顕れていると言えるだろう。最近のアーセナルはビッグタイトルから離れてしまっているが、マンチェスターユナイテッドとの二強時代を築いた立役者であり、その才能は計り知れない。この本はベンゲルが日本においてグランパスを指揮したときのことを中心に書かれている。そういった点で、日本人向けの本といえるだろう。サッカー後進国の日本でどのような指導を行ったのか、そしてどのようなサッカーが望ましいのかを具体的に書いてある。ただ、プレミアでの経験について触れられていないのが実に残念だ。そしてベンゲルらしいのか、無難にまとめ上げた感は否めず、衝撃を与えるまでとは至らないのではないか。


さて、目標まであと37冊!今日はあまり時間がないので、明日から本の虫になろうと思います。