最近のこと

小泉内閣が退陣し、安倍内閣が誕生してからおよそ4ヶ月。結構大きな変化がありました。ある意味小泉内角よりも目立たないかもしれないけれど、いろいろなことが変わってきている気がします。

最大の変化は、防衛省の誕生ですかね。まぁこれは中国の軍拡や世界情勢を考えると止むを得ないことだったでしょう。ある意味当たり前といえば当たり前だと思います。確かに憲法九条崩壊に近づいているといえばそうであり、残念といえば残念です。しかし、これを壊したのは決して日本人だけではなく、世界や人間がこの平和主義を受け入れなかったといっても良いでしょう。

あるいは教育再生会議の活動やら組織犯罪処罰法改正案だとか、日本版NSCの創設活動だとか・・・

そして注目すべきがPKOで海外に派遣された自衛隊が武器の先制使用を認められる解釈が出されたこと。これらは決して好ましい方向に向かっているとは思えない。確かに普通の国に向かっているといえるかもしれないが、あまりに急すぎる。安倍内閣は何をそんなに急いでいるんだろう。

ゆとり教育もそう。世間巷ではゆとり教育はバッシングの嵐である。しかし、何割の人がゆとり教育の目的を知っている、あるいは知ろうとしただろうか。

ゆとり教育自体は決して悪い考え方じゃない。一部を取り出して論じれば、ゆとり教育は悪にしか映らないだろう。円周率3は3.14で計算していた人から見れば、馬鹿げていると言われても仕方がないといえばそうだ。しかし、それ以上に変えるべきことはあったはずだ。

必要なのは学校でたくさんの授業を行うことじゃない。英語を小学校から教えることじゃない。もちろん、使いようのない知識を仕入れることでもない。授業時間が足りないならば、英語の授業を削れば良い。その分国語の時間を増やして日本語力を付けたほうが良い。国際化は進んでいるが、英語と日本語の話す割合は日本語の方が余程多いのだから。

教育は国家百年の計と言われる。それだけ重要なことではあるが、そんな一時のデータで簡単にいじって良いものではない。OECDの中で学力が最低水準にあるのはイタリアであるが、そのイタリアはOECDの中で学習時間レベルが最高水準にある。こんなに単純なデータが他にあるだろうか。あるいは逆にフィンランドの例を取っても良い。もちろん、外国の例を簡単に日本に導入することは出来ない。しかし、重要なデータであることは間違いないだろう。

小泉改革以来、自民党は事実上革新政党のイメージを持つに至った。改革機運に乗って、改革をしなくてはならないという強迫観念に囚われている気がする。どうも安倍内閣の改革力と改革方針が、右とか左ではなく、間違った方向に向かっている気がしてならない。

まぁカリスマ的支配とは言えなさそうだし、きっとどこかでブレーキがかかると思うけど・・・まぁ恐怖心を持ちながらも憲法改正は頑張って欲しいというなかなか矛盾した考えを持つのでした。