教養は大切です。

さて、だいぶ久々ですが、また日本史学特別研究Ⅰの授業内容を書こうと思います。今回こそ、完結させる!というわけで、内容へ。

前回の日記のように、ピラミッド型組織は、中央集権的に行動を起こすのであれば組織形態として優れているのだが、組織にある全ての力を利用することは出来ない。そして末端の方では、思考・判断能力が(意図的にしろ無意図的しろ)削除されてしまう。

ピラミッド型組織である必要があるのは、情報伝達能力が限定されてしまうときである。だから、組織の全ての人間がリアルタイムで今まで中央に収集されていた情報を正確に手にすることが出来たら、ピラミッド型組織から脱却した新しい組織を作ることが出来ることになる。

例えば、授業で紹介された新しい組織図として米陸軍がある。軍隊はこれまでピラミッド構造の象徴的存在であったのであるが、その象徴から組織が変わろうとしている。これまで上部が絶大な権限を保持していた軍隊において、権限の委譲が行われているらしい。例えば、戦闘に際して小銃を撃つのに上官の許可を一々求める必要はないが(もちろん、戦争状態に入る前だったら話は違うのだろうけど)、一兵卒にミサイルを撃つ権限はない。小銃とミサイルの攻撃能力の差を考えると、戦場の地形や敵の正確な位置を把握できない現場の兵隊にミサイル発射の権限がないのは至極当然のことだろう。

しかし、もし戦場の情報(地形、敵味方の正確な位置)を即座に把握することが出来たら、その状況は変化する。