日本史学特別研究Ⅰ

古代の情報技術を扱うこの授業。退屈な授業の中で、ひとしきり輝く内容でした。その感動した内容をいくつか選りすぐって紹介します。

まず、漢字文化圏が成立したことのすごさ。漢字文化圏とは、漢字を文字や言語の基盤として用いている地域であり、東アジア諸国をはじめ、ベトナムなどの東南アジア諸国にも及ぶ地域である。現在、韓国では自国文化の高揚のために漢字を捨ててしまったが、朝鮮語にもまだまだ漢字語は残っており、朝鮮も漢字文化圏であることをうかがわせる。日本は言うまでもないだろう。

この漢字文化圏の何がすごいのか。それは、漢字という文字が共通して使用されているということである。確かに、ヨーロッパでは多少の違いがあるとは言え、基本的にアルファベットが使用されている。その意味では、ヨーロッパ諸国もアルファベット文化圏と言っても良いかもしれない。だが、そのすごさの価値は全く異なるのである。

それはアルファベットと漢字との文字の性質の差にある。アルファベットが表音文字であるのに対して、漢字は表意文字である。つまり、発音は違っても、その発音にあわせてアルファベットを変えていけば良いだけのヨーロッパに対して、漢字文化圏では、発音のみならず意味までも重ねなければならなかった。ヨーロッパは意味を重ねる必要はなかったのである。

だからこそ、日本語と中国語は全く語族が違うにも関わらず、日本人は漢文をある程度読むことが出来、漢字の意味から知らない単語の意味も推測することが出来るのである。それってかなりすごいことじゃないだろうか。

考えてみると、当たり前のことなのだが、改めて気付かされたときはとても感動したものだ。

他にも、冊書のすごさなども色々と感心・感動したことがあるのだが、図を描くことなしにその感動を伝えたり保存したりすることは出来ないので、やめておこう。なので、選りすぐってと言いながらも、いきなり本題に入ります。

では、本題はまた今度。