社会人じゃないのに社会の厳しさを知ることが出来るのでしょうか?

ちょっとした用事で、MSの方と会ってきた。中小企業診断士の資格を持っているそうで、ビジネス系の相談には大変強いらしい。正直会う前の情報はほとんどなかったのでこんなイメージだった。そして恐ろしかった。ビジネスの世界を全く知らない自分が、ビジネスを語り、それに対する批評を聞く。自分がどれほど甘い幻想を抱いているのか、現実がどれほど厳しいのか。それを指摘されるのが怖かったのだ。情けないことに、現実と向き合うのは何でも恐ろしいと感じる。でもそれが正直なところだ。

これまでに、早稲田ラグビー部のコーチングの本から、方法論的なコーチングの本、ジャック・ウェルチ関連の経営理念の本などなど、色々な本を読んで勉強したつもりだった。だが、結局それは自分の経験から得たものではないので、現場で使ってみないと力になりえるかどうかわからない。

話し合ってみて、まず第一に、チーム内での話し合いが足りないこと。それが痛感された。まだチームメンバー全員が揃ったことがないというあり得ない状況なので、仕方ないのだが、仕方ないではすまされない世界なのである(と思っている)。時間が合わないのは、ある程度止むを得ないのであるが、しかし成功したいのであれば、ある程度自分の嗜好は制限されても仕方ないだろう。早急に話し合いの場を持ちたい。

チーム内での話し合いが足りないため、自分達が提案したビジネスモデルにもバラつきがあり、さらに具体性が全然足りなかった。それでも「結構煮詰めてきたね」と褒めてくれたが、出来る限りはやらなくてはならない。常に最善を求めなくては。具体化・・・直前に読んだコーチングの本で、チャンクアップとチャンクダウンという手法が紹介されていたが、まさにそれではないだろうかと思う。

一番意外だったのは、「とりあえずやってみたら?」という実験精神だ。もちろん、ビジネスなので軽々しく端から端まで試していくわけには行かない。最低条件として、チーム内での意見がまとまり、研ぎ澄まされたというのがあるが。赤字はどうしても出したくない。というか出すわけには行かない。この場合の赤字とは、自分達の個人的資金を最大限まで投入しても出てしまう赤字のことだ。その「赤字」だと、資金回収の目処が立たないばかりか、破産じゃないか・・・?そうしたらビジネスだなんだといっているわけにもいかなくなる。

ただ、この実験精神がかなり思考を柔軟化させ、発想の幅の広がりに大きく影響を与えたのは事実である。それまでは「失敗するわけにはいかないんだ」という固定観念、というか強迫観念に捉われすぎていて(もちろん、失敗して良いという意味ではないけれど)、確実性ばかりを追い求め(それでも自分の案は甘かったが…)ていた気がする。最初は、試してみる。誰もがいきなり成功できるわけではない。試行錯誤を重ねてこそ、真の強さが手に入る。成功だけの人生には、失敗の重みがわからないように。

他にもたくさん得たものはあった。自分は初対面や目上の方が苦手な上に、主張まで苦手という本当に何にも向かないような性格をしているので、あまり良い印象を与えなかったかもしれないが、外部からの視点というのは、気付かないものに気付かせてくれる(当たり前か・・・)。

何事も、やってみなければわからない。でもやってみるときは最善を尽くす。知らないものを怖れない。現実を適切に認識する。

ビジネスは、自ら身を投じれば成長できる。また、儲けることが目的ではない。自分達の場合はそれを忘れないようにしなくては、何も成長することは出来ないと思う。

その後に、代々木から池袋まで歩いて山崎と一緒にオールでバカやってたのは楽しかった笑。