CL決勝戦

待ちに待ったCL決勝戦!世間巷はもうワールドカップ気分ですが、そんなことなんかどうでも良いくらい熱い試合があります。それが今日あった。予備戦から考えると何ヶ月もかけて続いてきたCLが、今日ついに決勝戦を迎える。

片方は、去年の優勝候補の一角であったバルセロナ。リーガでも爆発的な快進撃を続け、圧倒的大差をつけて優勝。世界最高の選手と評されるロナウジーニョを筆頭に、ジュリー、ラーションなどの裏を取るのが果てしなく上手い選手や、司令塔デコを擁し、世界最高戦力を形成している。去年は決勝T一回戦でチェルシーと対戦し、惜しくも敗れたが、今年は異様に速い寄せによって完全に試合を支配し、同じく一回戦でチェルシーを破った。その後、破竹の快進撃を続け、準決勝ではミランを接戦の上撃破。このときもミランホームでありながら、ロナウジーニョとジュリーの神のパスと飛び出しによって破った。そして何と14年ぶりのbigyear獲得に確実に近づいた。

それに対し、対戦相手はアーセナル。去年の覇者リバプール同様に、決勝に進んでくるとは誰が予想しだだろうか。準決勝では主力を欠いていたとはいえユベントスを破り、決勝に駒を進めた。アーセナルは今シーズン、プレミアでは振るわず、4位に終わったが、その反動だろうか、毎年弱かったCLでは劇的勝利を重ねた。その中心が、シェバ、ロナウジーニョに匹敵するトップ、アンリだ。いまやアーセナルはアンリ抜きでは全く違うチームになってしまうと言っても過言ではないほどの存在だ。今シーズンからヴィエラユベントスに移籍してしまったため、もともと強くはなかったアーセナルディフェンスは余計に心許なくなった。しかし、何とアーセナルはCLにおいて奇跡に助けられながらも脅威の無失点記録を続けており、攻撃に長けるバルセロナとの対決には期待された。

だが、お互い万全とは言えない体制。アーセナルはキャンベルやアシュリー・コールをしばらく怪我で欠いていた時期があったし、またバルセロナはシャビやメッシを同じく怪我で欠いていた。アーセナルのほうは二人とも復帰したし、フレブなどの新戦力も順調に機能しているので、環境的にはまだ良いかもしれない。しかし、それでも戦力的にはバルサの方が余程有利だと思う。

さて、時刻は日本時間午前3時35分。ようやくフジの中継が始まった。今年の決勝戦はCL発祥の地、パリ。首を長くして待った試合がいよいよ開始される。

CLのテーマが流れる。そのテーマと大歓声の中、選手達が子ども達と共に入場していく。一体選手達はどのような気分なのだろう。自分には想像も出来ない。自分などは高校選手権の一回戦前夜ですら緊張して寝付けなかったというのに、世界最高峰の試合に挑む気持ちがわかるはずがない。なんとファブレガスは若干19歳。ウォルコットの登録が早ければまだわからなかったが、自分と同じ年の人間が、CL決勝戦のピッチに立っている。

両チームのメンバーが発表される。審判・相手と握手を交わし、ポジションにつく。見ているこちらですら緊張感が高まってくる。去年のように、劇的な展開が待っているのだろうか。いよいよキックオフ。

アーセナルはアンリを擁するとは言え、バルサディフェンスはその寄せの速さからしても決して他の一流チームに劣るということはない。それでいて世界最強の攻撃力を誇っているのだ。バルサの勝利が順当なところだろう。何が起こるかわからないたった一回の勝負だが、3-0でバルサというのも十分考えられるスコアだ。

しかし、前半始まってしばらくは、アーセナルが主導権を握る。やはりチームの柱アンリにボールを集めていくが、サイドでフレブやエブーエ、リュンベリが突破を図り、バルサディフェンスを崩していく。アンリの良さは、ロナウジーニョのようなタイプではなく、考えられないところからでも、正確にゴールを狙ってくる点と、確実なシーンでは確実に点を取っていくところだ。そういった意味ではシェバ以上の得点力があるといえるだろう。

やはりアンリは、サイドからの多少無理あるパスでも正確に、しかも的確にトラップをこなし、数々のシュートチャンスを演出する。一瞬でもシュートコースを開ければ命取りになりうる。しかし、ここはヴィクトール・バルデスが好セーブを魅せ、シュートをはじく。一対一でも彼は負けなかった。あと一瞬でも飛び出しが遅れていたら、アンリのシュートが入っていただろう。CLとはほんの一瞬ですらゲームを変えかねない高度な試合なのだ。

アーセナルが押しながらも、最終ラインでバルサに奪い返されるという展開を続けていた。アーセナルとしては危険な展開だ。押しながらも点が奪えず、逆にちょっとしたミスから失点したりすると、ゲームの流れが変わってしまうこともある、常に攻めているのが必ずしも良いとは限らない。そして何度でも言うが、アーセナルディフェンスは、甘い。そしてバルサが奪ったボールを迅速に裁いていくのに対して、アーセナルはディフェンスラインでキープするシーンが多かった。その結果FWに追い詰められて危なくなるシーンも・・・