「時は金なり」とはよく言ったものだ。

この前、家族で伊豆に旅行へ行ってきた。我が家は何だかんだで結構家族内の仲は良い方だと思う。この歳になると、家族旅行よりも友達との旅行の方が楽しいが、それでもやはり家族の時間と言うものはいつになっても大切なものだ。移動時間がほとんどの1泊2日の短い旅行だったが、それでも父も母も楽しそうにしていたので良かったと思う。食事の時間、こういうときに父は財布の紐が緩む。結構な値段のするワインを頼んだりする。このときもそうだった。そしてそれを飲みながら、ゆっくりと食事の時間を楽しんでいた。翌日、父が青森に帰るために、帰り道はどこにも寄らずに帰ってきた。その帰りの車中で、父と母は昨日の夕食の時のワインについて話し合っていた。ワインはオプションで、頼めば別料金が発生する。料金ももちろん普段の値段よりも高めに設定してあるが、旅先では別に不思議なことではない。父と母の論点はそこにあった。最近、父はワインにはまっている。だから前日の夕食時に頼んだワインが普通ならいくらで買えるか知っていた。それによると、その差額は2000円程度だった。結構差が開いているので、父も母もそれに文句を言っているようだった。確かに、2000円の開きは大きい。旅行に関する全ての経費は両親が出しているため、金銭面にうるさくなるのは仕方のないことかもしれない。だが、そこで文句を言ってしまっては、台無しではないか。ちょっと高くついたけれども、それは楽しい時間を過ごすための助けとなった。それで満足できないのだろうか。楽しい時間を買ったと思えば良いと思う。その時間はそのときにしか過ごせないのだから、そこで多少余計にお金がかかったとしても、十分おつりが帰ってくると思う。まさに「時は金なり」だ。お金と言うものは、使うべきところと時間にケチってはいけないと思う。削るべきなのは、不必要な出費だけだ。