人生をどう計るべきか。

このところ、夏以来途絶えていた読書を再開させているのだが、一押しの作家はやはり城山三郎だ。自分は多くの作家の作品を少しずつ読むというのではなく、一人の作家の著作物をたくさん読むようにしているので、まだ読んでいない作家もたくさんいる。それにジャンルが偏っているので、特に現代の恋愛小説などには疎い。

そんな読み方をしているわけだが、城山作品はいつの時代にも通用する「気骨」というものがある。「気骨」というのは新潮文庫の帯に記されていた言葉だが、城山作品の特徴を見事に言い当てていると思う。読んでみれば「なるほど気骨か」ということがよくわかるであろう。

今日読み終えたのが↓だ。城山三郎の作品を読み始めて10冊目くらいであろうか。これまでの作品とは違い、女性が主人公であることが新鮮だ。

本当に生きた日 (新潮文庫)

本当に生きた日 (新潮文庫)

人生の充実とは何か。それは人によって違う。誰もが充実を望みながらも、どうしたら良いのかわからず悪戦苦闘する。それほどまでに現代は人生に多様性に満ちているのだ。どのように生きることが、何をすることが自分にとって大切なのか。それを考えさせられる作品だった。このことは別にまとめたい。

もし、読書で良い本を探している人がいたら、是非城山三郎の作品を読んでみてもらいたい。社会性の強い小説なので、そういったことに興味の無い人は楽しむことが出来ないかもしれないが、城山三郎の作品には人生の手本としたい人の生き様が見事に描かれている。おススメです。