高校歴史学って一体…?

最近真面目に授業を受け始めた甲斐あってか、史学概論の授業が面白い。ランケ流歴史学

近代国民国家の関連性とか、ランケ流を否定したアナール学派の登場とか、すごく興味深

い。古代における歴史学は、その政権の正当性を保障し、業績をたたえるために行われた歴

史記述であるが、中世、特に宗教改革以降に歴史学の中心は歴史記述から史料批判などへと

変わっていった。現在の歴史学と言えば、歴史記述ではなく、過去を明らかにすることがテ

ーマとなっている。これが大学で学ぶ歴史学だ。だが、高校での歴史学とは一体何の意味が

あるのか。例えば1600年に関が原の戦いがあった。このことは大体の人はわかると思う。し

かし、それがわかるから何なのだろうか。私大向けの高校歴史には、勉強する価値はないと

思う。単なる事実の暗記に過ぎず、それが出来るからといって優秀な人間な訳ではない。国

立向け(関東圏では東大・一橋・筑波)の歴史は私大向けに比べてはるかに価値がある勉強を

している。暗記ではなく、理解だからだ。もちろん、暗記も要するのであるが、暗記が必要

なのは全ての学問がそうであり、暗記なくして理解・発展は望めない。大学あるいは大学院

を卒業して、高校に社会科教師として配属されたときに、歴史に興味のない生徒から「歴史

を学ぶ意味は何か?」と訊かれたら、なんと答えればいいのだろう。私大向けの歴史には意

味がない。国立向けの歴史も辛うじて意味があるくらいだ。高校生に尋ねられれば、不必要

としか答えようがないかもしれない。しかしそれでは教師失格だ。大学4年間を通じて答え

を見つけたい。それで卒業論文がかけるほどに。